ヘリコバクター・ピロリ感染の病態診断と除菌治療の実際
サービスURL:http://www.skillup-mt.jp/seminar/seminar.php?no=99 【セミナー概要】 ヘリコバクター・ピロリ(Helicobacter pylori;ピロリ菌)はヒトの胃粘膜に棲息するグラム陰性らせん状微好性細菌です。ピロリ菌の感染率は地域により異なりますが、世界の約半数の人口に感染しているものと考えられています。本菌は胃炎を惹起し、胃・十二指腸潰瘍の再発因子および治癒遷延化因子として作用するとともに、胃癌や胃MALTリンパ腫などの悪性疾患と関連することが知られています。1994年、ピロリ菌は胃癌の確実性発癌因子グループ1としてWHOにより認定され、2008年には、日本の多施設研究の結果、早期胃癌の内視鏡的切除施行患者へのピロリ菌除菌が胃粘膜における異時性発癌を有意に抑制したことがLancet誌に報告されました。胃・十二指腸疾患のみならず、本菌感染が特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、アトピー性皮膚炎、生活習慣病などの発症に関連することも報告されています。 本医療技術セミナーでは、ピロリ菌感染の病態、診断、除菌治療の実際が最新の知見を交えて紹介します。また、「H. pylori i感染の診断と治療のガイドライン」2009改訂版の詳細や2010年に行なわれた保険適応の拡大等についての情報についても解説します。多数の医療従事者の方々に本セミナーにご参加いただき、我が国におけるピロリ菌の診断および治療が幅広く浸透していくことを期待しております。 皆様、奮ってご参加ください。 10:00-12:00 ヘリコバクター・ピロリ感染の病態と存在診断 ピロリ菌はウレアーゼ、付着因子、細胞空胞化毒素(VacA)、CagA蛋白、IV型分泌装置などの種々の病原因子をもちますが、最も重要な病原因子は特定されておらず、多因子性に粘膜に病変を引き起こすものと考えられています。本菌の感染は急性および慢性胃炎を引き起こすとともに、胃・十二指腸潰瘍の再発および治癒遷延因子として作用します。加えて本菌感染が胃癌やMALTリンパ腫などの悪性疾患の発症にリンクすることが知られています。 ピロリ菌の存在診断には胃生検材料を用いる侵襲的検査法と、用いない非侵襲的検査法とがあります。前者には分 続きは...