MEGA:冠動脈疾患が少ない日本人で脂質改善の意義を示す
LDL-C低下療法が冠動脈疾患の1次、2次予防に有用であることについては、欧米でエビデンスが確立している。しかし日本人は欧米人に比べて心筋梗塞の発症が3分の1程度と少なく、一方で脳卒中は約2倍と多い。これだけ疾病構造に違いがあるのに欧米のエビデンスを日本人に当てはめられるのか――このような懐疑論は1990年代の日本の臨床現場に根強くあった。脂質異常がどれだけ日本人の冠動脈疾患発症に影響しているのか、LDL-C低下療法がどれだけ心筋梗塞を抑制するのかについて、強力な証明が求められていた。この疑問に対し、1次予防についての回答を示したのが、1993年に開始されたMEGAスタディである。 続きは...